この記事は平成27年11月21日(土)に作成し、平成27年12月3日(木)に更新したものをそのまま掲載します。

イオンペットの生体販売、即刻中止!譲渡活動を! 

イオンペット、生体販売、すぐ中止しろ!ペットショップでの生体販売、断固反対!即刻中止せよ! イオンペットのやりたいようには絶対にやらせない!

イオンペット、生体販売、すぐ中止しろ!イオンペット社長の言っていることをどんどん実行されたら、悲惨な繁殖犬猫・殺処分される犬猫の数が確実に増える!

イオンペット、生体販売、すぐ中止しろ!せっかくここまで行政現場やボランティアさんがやっとの思いで減らしてきたのに、逆戻りになる!

このページにきてくださって、本当に本当にありがとうございます!

このサイトは、「行政で殺処分される悲惨な犬猫」および「繁殖業者・ペットショップの金儲けで命や生の犠牲を強いられる惨劇を背負っている犬猫」が、一刻も早くこの世から1匹もいなくなることを願って作成しています。そして微力ながら活動しています。

今年2015年は非常に危惧することが起きています。今ここで、阻止しなければ、殺処分の数は再び増加するし、流通の闇で消えてしまう命も増加すると懸念しています。それは、ペット業界の動向なのです。あくまで私見です。

このページに、イオンペット社長が語るペット業界・自社の戦略などのインタビュー記事を引用転載して(引用転載は著作権法違反にはなりません。)、それに対する「私見・考察・提案」を書いています。

なぜ、イオンペットなのかというと、ペット関連業の日本で一番の売上げのある業界のリーディングカンパニーだからです。イオンペットの動きが業界の動きと連動し、不幸な犬猫を増やすか減らすかが大きく関わってくるからです。

良い点は良いのですが、悪い点については絶対にやめてほしいと考えています。

イオンペットの社長は、全くペット業とは無関係なところから平成27年3月1日に就任、失礼な言い方かもしれませんが、「ペット業にはど素人」で、どこまで不幸な犬猫の実情を知っているのか、誰かが真実を教えているのか、業界に調子に乗せられて程度良く使われているだけではないか等、一抹の不安があります。

私はどの動物愛護団体にも所属しておりませんし、行政の人間でもありませんし、ペット業界の人間でもないし、その業界の経験もありません。捨て猫を自分の猫として飼い始めて11年、現在10匹のお世話をしています。(全て、避妊去勢手術済、完全室内飼い)それと、個人で(自腹で)約7年、TNRをしています。ペットを取り巻く問題は目に余るものがあります。通常の感覚の人間ならば、そのあまりの悲惨さに心が痛くなります。私は、ごく一般の市民です。そして、いち消費者です。いち市民、いち消費者から見ると、ペット業界は、やっていい事と悪い事があると思いました。私は、「金より命が何百倍も重い」と思っています。悪い事はやめるべきですし、阻止したいです。

無関心が一番だめな社会にするとも考えています。「悪いとは思うけど、関係ないから」とか、「何か言ったら、巻き込まれて面倒くさい」とか。それも選択の自由かもしれませんが、私にとっては、愛玩動物である犬猫の小さな命が人間の金儲けの為に「命や生の犠牲」になっていることは黙ってみていられません。金はいくらでも稼げるけれど、命は一度失ったら2度と戻らないのです。

だって、これらの小さな命たちは声を出して主張できません。自ら人生を切り開くこともできません。全て人間しだいでどうにでもなってしまう小さな生き物たちです。人間によって押しつぶされている命と生を救い出してやれるのも人間です。絶対に不幸な犬猫を救いたいです。単純にそれだけです。

どうか、たくさんの人が同じ気持ちを持って、賛同してくださったら、とてもありがたいです。

「インタビュー記事の要約」を書きます。記事のフルバージョンは一番下です。

インタビュー記事の要約
この記事を簡単にまとめます。お忙しい方は、こちらを読んだだけでも記事内容が、把握できます。

  • ■イオンペットの社長は平成27年3月1日付で就任した。その前は、「デジタルビジネスやマーケティング部門」を担当し、ペット業界にとっては、「ど素人」な人である。
  • ■社長は、子供の頃、隣家の犬と楽しく遊んだ経験がある。(自分ちの犬ではない。)
  • ■自分の子供にせがまれ、ペットを飼うことは初体験で躊躇したが、ミニチュアダックスフント7歳を現在飼育中。飼い犬が元気がないと心配になる。
  • ■今のイオンペットは、小売り、サービス、病院がある世界に例をみないモデルである。但し、この3つは縦割りになっているので統合して、相乗効果を追求していくのが自分の役目だとのこと。
  • ■現在のペットショップの形は、みな同じ風で魅力がないから、魅力のあるそして他のペットショップに差をつけるペットショップづくりをするとのこと。
  • ■「デジタルビジネスやマーケティング部門」出身らしく、顧客にIDを振って、顧客の行動の情報を集約し、顧客の行動を分析し、利用していない別のサービスも利用してもらうよう対策を講じるとのこと。
  • ■飼育者の30%が「ペットを飼いたい」という調査結果がでているので、不満を解消するようなサービスを提供して、需要を掘り起こしたい。今は言えない秘密の戦略があるとのこと。
  • ■少子高齢化に伴い単身世帯が37%だという試算がある。その単身者にペット生体を買ってもらいたい。買ってくれた人には「飼えなくなった時」の不安を払拭するプログラムを用意するつもり。
  • ■イオンペット全体の売り上げ規模は300億円。(イオン全体の営業収益=総売上は7兆円)
  • ■イオンペットの拡大はイオンモールの集客力を利用し、広域からペットオーナーを来させるようなモールの「準核店舗」にしていくことで達成させるとのこと。
  • ■8月1日にリニューアルオープンした「イオンペット千葉ニュータウン店」が、小玉社長の新たな試みを詰め込んだ店舗らしい。

●良い点●
良い点一か所で、飼い主の求める商品、サービス、病院があることは、便利で良いと思う。特に人口の少ない場所に住んでいる場合、あそこに行けば全て済むは大変ありがたいことだと思う。どんどん推し進めてください。それに付け加え、今ないサービスもどんどん考えて提供していってください。

良い点イオンモールという形態は集客力がとてもあると思う。買い物やウィンドウショッピングだけでもとても楽しいし、フードコートやレストランなど、家族、友達などといい時間が楽しめる。ちょっと遠くても一度にいろいろな事が一か所で楽しめれば通うようになるだろう。いろいろな楽しいことをどんどん作り上げていってください。

▲非常に悪い点▲

非常に悪い点1)新しく作出した子犬子猫の飼育頭数を異常なまでに増やそうとしている

イオンペットは、新しく作出した子犬子猫の飼育頭数を異常なまでに増やそうとしています。

この背景ですが、現在、ペット業界はお尻に火がついたように、飼育頭数を増やそうと躍起になっています。なぜなら、2010年位までは右肩上がりだったペット業界の成長が、鈍化。その理由を業界の怠慢で飼育頭数が減ったためとしています。ペット業界のNO.1であり、リーディングカンパニーである(コジマをはるかに超えて)イオンペットの社長もそう考え、新しく子犬、子猫を作出して販売し、顧客を囲おうという戦術に出ています。

イオンペットのホームページを見るとわかりますが、テナントに入っているペットショップの出店ラッシュです。短期間にすごい勢いでペットショップを増やしています。それに付け加え、ペットショップでは、「ブリーダーを大募集」しています。子犬、子猫の大量販売を目的とした大量集めをしています。

この点をよく見てほしいのですが、イオンペットは、生体販売はいろいろな社会問題を抱えているから、直接的には手を出さず、生体販売はテナントにやらせるという方法を取っています。これは、直接的でなくても間接的に、生体販売の持っている社会問題を増幅させているといえます。(つまり、不幸な繁殖犬や殺処分される犬猫の数を増やすことになります。)直接的に販売していないから罪にならないかというと、それはまちがいで罪はあります。酒飲み運転をした者も酒飲み運転を知っていて止めなかった者も、罪に問われ罰せられると同じことです。ずるがしこい小学校中学年という感じでしょうか。

やっとここまで、動物行政の現場や動物愛護団体、個人が様々な困難を乗り越えて、殺処分の数字を減らしてきたのに、イオンペットに生体販売の数字を増やされたら、おそらく殺処分の数字は間違いなく増えるでしょう。それに加え、狭いケージでの一生を過ごす悲惨な繁殖犬や繁殖猫が増えるだけです。

殺処分の数より、販売される数の方が何倍も多いという事実を考えれば、イオン、イオンペットは、新しく作出して子犬子猫を大量販売することは、即刻やめるべきです。

今ここに書いている内容は、テナントのペットショップに生体販売を中止しろという「とかげのしっぽ切り」のレベルではなく、イオンという巨大企業の戦略を根底から変えさせるということです。相手はイオン、イオンペットです。イオンペットの戦略のもと、子分のようなテナントに何を言っても意味がないということがおわかりでしょう。(イオンペットは生体販売していないとつぶやいた人向けコメントです。あしからず。)

非常に悪い点2)単身世帯に子犬、子猫を販売する

イオンペットの社長いわく、日本は少子高齢化に伴い単身者世帯が37%という試算があるらしく、単身者世帯に新しく作出した愛玩動物の子犬子猫を販売しようとしている。その際、「飼えなくなったらお手伝いするプログラムを用意」するらしい。それは、それで結構だが、プログラム利用も「お金があれば」できる話。
この単身者世帯に売るという戦略には4つの不安要素があります。ひとつずつ見てみます。

(1)財力の不安
今現在、保健所の収容犬は病気をかかえているような老犬がとても多い。捨て犬、捨て猫の原因の大半は、病気や高齢になり、高額の医療費やそれにかかる費用を支払えないから、それと世話ができないからと推測できる。つまり、財力の行き詰まり。支払えるお金がたくさんあったら、捨て犬などしない。

犬を1匹飼うと病院代も込みで1年間平均36万円。(アニコム損害保険株式会社調べ、2014年度)単純に15年生きて、総額540万円。ダックス等のパテラ関係の手術に30万円位はかかるので、大病したら平均の金額ではすまないでしょう。

これも統計ですが、厚生労働省が2015年7月2日に発表した平成26年版(2014年版)の「国民生活基礎調査の概況」によると、勤労の単身者の収入は、男316.2万円、女198.2万円、平均251.3万円。ここから社会保障費、税金などを支払い、衣食住(最低限必要)の経費を支払い、どのくらい残るかは人それぞれですが、冷静に数字だけみても、単身者世帯だけをターゲットにしていいものかと感じます。

(2)単身者世帯の高齢化が顕著
単身者世帯をターゲットにするということは高齢者に販売するという見方ができます。つまり、年齢の問題です。
2015年の単身者世帯で60才以上の割合は41%、2020年には42.7%、どんどん割合は、増えていきます。つまり、単身者世帯の高齢化が顕著なのです。(国立社会保障人口問題研究所、2014年4月推計、日本の世帯数の将来設計より)
実際問題、60才の人に子犬を売ったら、犬が15歳になった時その人は75才。柴犬を飼っていたとして、犬が認知症を患い、10キロほどの体重の介護が75才の高齢者にできるだろうか?それも単身者ですよ。手伝う家族はいない。非常に不安が残ります。金を持っていたとしても、世話はどうなのだ?という話です。
「命」を売るのなら売る時のことばかりではなく、10年先15年先を先読みする必要が絶対にある。この点は、ペットショップの昔からの「でたらめ商売」の典型で、「売ってしまえば勝ち」、後々の問題は飼い主まかせという構図。無責任商売はもういい加減やめる時に来ています。

(3)犬の習性に無理解
単身者世帯に子犬を販売したら、「分離不安症」を発症する可能性が大きい。
単身者はたいてい日中働いている。長い時間1匹で留守番をさせられると発症する犬の病気。分離不安症からくる問題行動が心配されます。
犬は集団で行動、生活をする習性があります。そのような犬の行動や習性を一切考慮にいれないで、人間の寂しさや、癒しを満足させることだけを考えている。人間だけが満足すればそれでいいわけではない。犬を暮らすということは、犬と人間が共生できなければいけない。それで初めてお互いに幸せになるのであって、人間だけの満足を求め、犬に与えることをしなかったら、成立しない。ペットショップで生体販売をするにあたり、プロなんだから、これぐらいのことは知っていてもらわないとということである。
一生懸命考えたのでしょうが、失礼を承知で、お粗末千万な戦略といわざるおえない。

(4)譲渡不適の項目になる場合がある
行政の譲渡の条件に時々目にするが、譲渡できない条件に、「一人暮らし」「長時間留守番をさせる」「散歩や世話に十分時間が取れない」などがある。これは、行政の現場が、今まで引き取りをしてきた飼い主の身勝手な理由からくる経験値で決めたものだと推測できる。特に犬の場合、単身者世帯は、犬を飼う条件としては、犬を幸せにできないとの判断だろう。イオンペットの社長は、ペット業界は初の場所でしょうが、もっといろいろ勉強するべきだと痛感する。

(5)だから結論として
結論は、単身者世帯をターゲットとして子犬、子猫をじゃかじゃか販売するということに、「無責任さ」を感じる。ペットの幸せより人間の癒しや慰めを優先させ、犬との共生を考慮していない。やっぱり「物」扱いで、利益優先。この戦略は、誰からも共感を得ないと思うし、ペットを飼っているいち消費者として、違和感を感じる。就任して、はりきっているイオンペットの社長には、気の毒ですが、この言葉を送ります。「この戦略は、完全にNG。すぐにやめろ!」

補足:
単身者世帯の方にペットを飼うなと言っているのではありません。子犬の場合は、人間と共生するためのルールを家に到着したらすぐ教え始めないといけません。トイレ、ハウス、遊び、食餌、体のメンテナンス、健康のケア、ETC.・・・犬1匹育てることは、人ひとり育てると同じほどの手間、時間、愛情、お金がかかるものです。それも約15年から18年間。これをちゃんとやれますという人は、できなくなった時の犬身元引受人をたてて、飼うようにすればいいと思います。散歩とご飯だけやれば良いと思っているとしたら、飼い主の資格はないですから、いちから犬、猫のことを勉強してからということになります。

◆イオンペットへの提言◆

イオンはイオンモールやタウンや集客力のある施設にペットショップがあるから、とても良いと条件が揃っています。そこで、僭越ながら、提案します。

イオン、イオンペットへの提案イオン関連の全てのペットショップ、イベント等での生体販売の即刻中止、ペットショップを改装して、保健所から殺処分の決まった犬猫を引き取り、譲渡活動を即刻開始してください。

イオン、イオンペットへの提案47都道府県、政令都市、中核都市の全てで殺処分がゼロになるまで、ゼロになったら7年間それが継続できるまで続けてください。

イオン、イオンペットへの提案特に引き取りを強化してもらいたいのは、譲渡が難しい老犬・老猫、病気、怪我、咬傷事故犬などです。そしてもし譲渡ができない時は「生涯飼養」をしてください。病院やトリミングなどケアできる体制はできているのですから。

イオン、イオンペットへの提案動物の専門知識を勉強した若者や既卒者をどんどん雇用して、アイデアをどんどん出してもらってこの活動を昇華させてほしい。動物が好きでペットショップに就職してもペットショップでの悪行に耐えられなくてやめる残念なケースがたくさんあります。命を守り、命を存続させる仕事なら、心のある素晴らしい人材が集まると思います。

イオン、イオンペットへの提案世界に類を見ない素晴らしいビジネスモデルになります。企業価値はかなり上がると思うし、譲渡活動に賛同する人たちから応援されて、それに伴って利益もあがるのではないでしょうか?CMに載せたらよいでしょう。「生体販売中止、譲渡活動開始!」と。

イオン、イオンペットへの提案集まる飼い主も保護活動に関心のある、動物を愛してやまない「質の高い飼い主」さんばかりでしょう。子犬子猫の可愛さで衝動買いや見栄プライドで買うような「質の悪い飼い主」ではないことは確かです。

イオン、イオンペットへの提案生体販売の利益はいくらですか?テナントに聞けばわかるでしょう。テナントも譲渡活動で生体販売の売り上げをカバーするようにアイデアを出して、生き残っていったらいかがでしょうか?

本当に単純な話です。

繁殖犬や繁殖猫の命と生を犠牲にして子犬、子猫を売って利益を追求するより、「譲渡犬や譲渡猫を譲り受けた飼い主として質の高い人たちと協力しあって、一度は命の危険にさらされた犬猫の第2の人生をサポートする」というお金よりも何倍も価値のある商売、方向に転換したらいかがですか?

最後にもうひとつ。

イオンさん、イオンペットさん、犬猫の命を犠牲にして儲けたお金に価値はありますか?犬猫の苦しみ、悲しみ、辛さの染み込んだお金で幸せになれますか?

健全な商売をしている店舗の脇に、「犬猫の命の犠牲の上に成り立つ不健全な店舗」を置かないでください。いちお客、いち消費者として切にお願いします。

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★実際、イオン、イオンペット、イオンモールの3社にこの内容よりもっと細かい内容ですが、「要望書」を平成27年11月2日に書留で送りました。いまのところ何の回答もありませんが。クレーマーで処理されてしまったかどうかは、定かでありませんが。もちろん、送って終わりにはしません。次の手を考えています。

「要望書」公開します!赤字の部分は、名誉棄損になるかもしれないので、書き換えました。PDFファイル。A4で約12ページ。公開理由ですが、何の音さたもないから。
「要望書」平成27年11月2日

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更新日:平成27年12月3日(木)
作成日:平成27年11月21日(土)

 

———–< ここから イオンペット社長のインタビュー記事 >———

◆引用◆野生社 PETSREVIEW2015No.09

ペット業界最大の全国213店舗を展開するイオンペット(株)(千葉県市川市)は、3月1日付で代表取締役社長に小玉毅氏が就任した。小玉社長はイオン(株)に入社以来、デジタルビジネスやマーケティング部門に携わってきたという、これまでのペット業界には稀な経歴の持ち主だが、幼いころから動物と親しむ環境にあり、現在は7歳のミニチュアダックスフントのオーナーでもある。小玉社長にイオンペットのビジネス展開と、業界発展の可能性を訊いた。

顧客データを活用し各種サービスで相乗効果を高める
││これまでのイオンペットのビジネスをどのようにお考えなのでしょうか。
小玉
当社の最大の特徴というのは、リテールがあって、サービスがあって病院があるということです。生体販売もインテナントですがおこなっています。誤解を恐れずにいえばペットに対して“ゆりかごから墓場まで”のサービスを提供しており、それらを直営でおこなっているという恐らく世界でも例をみないビジネスモデルだと思っています。
ただ、非常に残念ながら当社の実態を申しますと物販、生体販売、トリミング、病院と事業別に縦割りで、サイロ型の組織になっているのです。この壁を破って、いかに相乗効果を追求していくのかということが、私に課せられた課題だと認識しています。

││どのように課題を克服されるのでしょうか。
小玉
この壁を壊すために何が必要かということを考えたのですが、顧客IDを起点にした「ワン・トゥ・ワンマーケティング(」顧客一人ひとりの趣向や属性などを把握した上で、顧客に対して個別にマーケティングを行っていくという方法。マスマーケティングの対義語)を徹底して実行していくということがこの壁を破る最善の方策ではないかと思っています。社長就任後、私が着目したのが動物病院に蓄積されていたカルテでした。ペットオーナーの情報に加え、ペットの来院履歴など膨大な量が記載されていました。同様にトリミング事業でも膨大なカルテがありました。
一方でイオンペットは既にポイントカードと電子マネーが一体となった「イオンペットワオン」があり、会員数は
60万人を超えています。こういったデータを、IDで統合すれば、ペットとオーナーの情報を一元管理した、まったく新しいビジネスモデルをつくることができると考えています。このデータを統合、分析すると当社のお客様は5?6種類の属性に分けることができます。まずはそれぞれの顧客属性に対しての提案を考えております。例えば「このお客様はプレミアムフードを買って頂いているけれど、トリミングには来ていない」などの属性に分けられるでしょう。では、どうしたら、フードを買って頂いているお客様にトリミングに来て頂けるかなどを仮説検証していきたいと思います。
この1年はワン・トゥ・ワンマーケティング実施の体制づくりと投資をします。早ければ17年2月期からこのマーケティングに基づいたサービスをスタートしたいと考えています。

ペットショップには競争が足りない
││ミニチュアダックスフントのオーナーとも伺っていますが、ペットとの関わりをお聞かせください。
小玉
北海道出身で札幌に住んでいました。当時は札幌も田舎で物心ついた時から野生も含めて周りに動物が沢山いる環境でした。隣の家では雑種のすごく大きな犬を飼っていて、そのワンちゃんは女の子でしたがソリを引っ張るのが大好きで、冬は毎日のように犬ゾリで遊んでいました。

今は七歳になるミニチュアダックスを飼っています。当時中学校一年生だったウチの子供がどうしても欲しいというので、面倒をみることを約束して飼うことになりました。子供たちも約束通り面倒を見ていましたし、命の大切さを感じたのではないかなと思います。何より、ペットがいるので子供たちが自分の部屋に籠らないで、必ず居間にいるようになりました。やっぱり飼ってよかったなと思います。
今は、年齢的に色々な事を気にし始めています。小さい頃はすごく元気だったので、ちょっと大人しいと「大丈夫かな?」と思ってしまいます。いままでそんなことは感じていなかったのですけれどね。

││オーナーの立場からペットショップに対してどのような印象をお持ちだったのでしょうか。
小玉
当社も含めて、総じてペットショップは「お店がつまらない」と思っていました。どこに行っても同じ商品が並んでいますし、品物やサービスの価格も一緒です。陳列も綺麗とはいえません。ペットパラダイスさんのような領域を狭めたショップは面白いところがありますが、一顧客としてみてもワンパターンのお店ばかりだと思います。
服を買おうと思ったら人の場合「ZARA」さんや「GAP」さんなど、異なるブランドであればお店の雰囲気も大きく異なります。しかし、ペットショップの場合はどのお店に入っても大抵は同じです。
今後の展開を考える上で、他店との差別化やイオンペットの店舗にしかないサービスを強く打ち出して、店舗のブランドイメージを高めることが重要になるでしょう。

イオンはご存じの通りGMS(総合スーパー)です。この業界は様々な業態が激しい競争を繰り広げて互いに成長を遂げていきました。しかし、ペット業界は今まで企業間の競争がほぼ無く、他社との違いを大きく打ち出さなくても成長してきたのだなと思います。結果、業界の停滞を招き、犬の飼育頭数が減り続けても有効な手立てを打てずに放置してきたといえるでしょう。
8月1日に、千葉ニュータウン店をリニューアルオープンしたのですが、このお店では品揃えやサービス内容を一新いたしました。幕張のペコスでの売れ筋商品の多くを導入したり、室内ドッグランを作りました。モノだけではなく、しつけ教室、肥満測定などの“コト”も提供しています。結果、今までの弊社の新店では初日の売り上げとして最高の数字を出すことができました。

飼育頭数増加への取り組みも
││飼育頭数のお話がでましたが、近年の飼育頭数減少についてどのような対策をお持ちなのでしょうか。
小玉
潜在需要者の開拓を進めることだと思っています。調査では現在の飼育者数の30%に当たる数の人が「これからペットを飼いたい」と思っているのですから、そういった方々の後押しをして、飼育に踏み出して頂く環境を作っていくべきでしょう。
ペットを飼うことによって200の良いことがある一方で、100の不満や負荷があるとします。ただ、イオンペットのインテナントで生体を買ってもらえれば、100あった不満や負荷を50にしますという仕組みを作っていきます。
不満、負荷を最小化していく努力をイオンペットとして取り組んでいくという事です。現在、細部を詰めている所なので具体的には申し上げられませんが、こういった取り組みから飼育頭数を増やすことができると思っています。
私自身もペットを飼う前は「面倒くさいのかな」とか、いろいろなことを思っていました。でも、実際飼ってみれば面倒くさいことよりも、いてくれて良かったと思えることの方が圧倒的に多いので、そこを「飼育したいけれど躊躇している人」に判って頂く事だと思います。

││今後のペットに対するニーズはどう変化するとお考えなのでしょうか。
小玉
少子高齢化の結果、全世帯の37%以上が単身世帯になるという試算もあります。単身世帯の増加が見込まれる中で、そういった世帯こそペットが必要になるのだと思います。ペットがいれば寂しさも紛れますし、張り合いにもなります。心身に及ぼす効果は高いと思います。

でも、「飼い主である私が病気になったらどうする」とか、不安に思っている人もいるでしょう。そこで私たちが考え、手助けしていくプログラムを持っていれば、単身世帯の人でも飼育してくれるようになるでしょう。私たちはサービスも物販も病院も全てのサービスを提供できる立場にあるので、実行可能だと考えています。

イオンペットがモールの準核店舗に
││巨大なイオングループの中でペットはどのように位置づけられるとお考えでしょうか。
小玉
当社の売上規模は約300億円(同グループの営業収益は約7兆円)と決してグループ全体では多くはありません。しかし、イオンペットがイオンモール全体の集客マシーンにも成り得ると思っています。今まではモールの中心ではない形で展開していましたが、ペットオーナーを広域から集めるような新しいショッピングモールの準核店舗になるような業態開発もしていきたいと思います。
これは私の仮説ですが、ペットを強化することで商圏が広がると考えています。ニーズを満たすお店や施設が近隣になければ、ペットオーナーは時間を掛けても来てくれるのです。我々のテナントの生体販売店でも、売り上げが好調なお店ほど商圏は広いのです。車で一時間以上かかる場所でも来て頂いています。当然、それだけの時間を掛けて来て頂くのですから、ペット以外の店舗での消費も期待できます。魅力的なペットショップがあれば、現在よりも商圏を広げることができるはずです。そういう新しいモールの準核店舗の開発も進めていきたいと思います。

8月1日にリニューアルオープンした「イオンペット千葉ニュータウン店」。小玉社長の新たな試みを詰め込んだ店舗だ(同店の記事はP.49~)
———-< ここまで イオンペット社長のインタビュー記事 >———-