3月31日にインターペット2016のビジネスフォーラム②を聞きました。

②のお題は「ペット業界の課題と解決策」15:30-17:00

パネラー

則久雅司 :環境省 自然環境局 総務課 動物愛護管理室 室長
高橋一彦 :全国ペットフード・用品卸商協会 代表理事会長/エコートレーディング(株)会長
小玉毅  :イオンペット(株)社長
野川亮輔 :(株)日本ペットオーナーズクラブ 社長
前田 敦 :一級建築士事務所 前田敦計画工房 代表/ペットライフデザイン協会 アドバイザリーボード

(進行)越村義男 :人とペットの幸せ創造協会 会長

このセッションでは、各人からペット業界の課題を3つづつ出してもらい、その中から討議する3つを選び、解決策を提言してもらうというものでした。

スタートは自己紹介から。

小玉氏)
去年社長に就任、社長室で猫を飼っている。猫の効果で、無口の人がしゃべるようになったりペットには力がある。

高橋氏)
アメリカのマーケットに衝撃を受けた。ペットフードを45年スーパーで売ってきた。業界を良く知っているし尽力している。大中小の犬を飼っている。犬の飼育頭数は、40-50万頭強、4%強の割合で減少。

野川氏)
10年前日本で初めてペット保険を作った。300億円売り上げた。

則久氏)
環境省で動物愛護法、動物取扱業に携わっている。生きている犬猫が基盤。その観点からセッションに参加する。

前田氏)
いわゆる箱物を手掛けている。15年愛犬、愛猫住宅を建設してきた。

ペット業界の課題として3つあげてください。(明るい業界にしないといけない、飼育頭数を増やすこと、その状況の中でのペット業界の課題として3つという意味)

野川氏)
未来は希望と不安でできている。未来は必ずやってくる。保険会社は、1)犬の減少の鈍化を考える必要あり。2)シニア世代と犬の共生 3)ペットの高齢化

前田氏)
1)ハード。犬は昔外で飼われていたが、今は家の中。床、階段、トイレに問題あり。2)ソフト:空き家をシェルターに。仕組み作り。

高橋氏)
1)ペットフードの食の安全。3万点の品数があり、安全に流通させる。2)どこで買うか?昔は人間の米の隣に置いていた。ホームセンターで多種の中から選んでもらうようになった。今後は近所で良いものが買えるよう変化に対応する。

則久氏)
生体を扱うビジネスに課題あり。第一種動物取扱業42,000 売り16,000 繁殖12,000 一部に悪質ブリーダーはいるがレベルは上がってきているがまだまだ。愛護法の共生する社会をつくるの内容は殺処分ゼロをめざすしかできていない。ペット業界も役所も愛護団体も共生社会のビジョンを見いだせていなくて、できていない。社会全体を変える共生する社会をつくるビジョンをバックキャストで時間をかけずにやること。規制をかけることは簡単であるが。

小玉氏)
ペットとの幸せな共生が欠けている世代があり、65才以上の単身者。350万人。140-150万人。精神的支えが必要で健康増進。飼わない人には飼わせないが近所の助け合いで高齢者がペットを飼えるよう実現したい。

ここで課題3つを選択、1)高齢者とペットが安心して暮らすには 2)物販(ペットフードをいかに届けるか) 3)共生社会について

1)高齢者とペットが安心して暮らすには

野川氏)
ペットの効用について、麻布大の若い教授が研究。犬を飼うとお互いに幸せホルモンが出る。環境作りをする必要あり。

則久氏)
ペットを飼うことで医療費が抑制される話について実際の因果関係を疑問。ドイツの7500億円の医療費抑制についても、ドイツは大型犬を多く飼っているが日本は主に小型犬。飼育頭数に関しては、バブル時900万頭、1300万頭、900万頭で元に戻るだけ。高齢者にも所得格差がある。都市部での高齢者の飼えない子のセーフティネットが必要。業界の中で仕組み作り。

(進行)越村氏)
タイガープレイス、レベッカジョンソン氏の作ったシェルター。老人と犬どちらが死んでも大丈夫。このようなものを業界として仕組み作り。

小玉氏)
則久先生の言う通り。日本でのペットの効用の科学的データがない。イオンペットが東京農大の太田先生にいろいろ実験をしてもらってデータを蓄積し化学分析をしてもらっている。ペットを飼った後で困った時にどうサポートするか。行政におんぶにだっこではなく、民間が基金を作り対処しないと本当の解決にならない。解決しない。

前田氏)
床の要望が多い。滑らない、浸みない、高齢者にもダックスにも安全な階段を設計。家中をスロープで結ぶ、廊下はタイルカーペット、ペットと視線の合う窓、人間が腰を曲げず楽に犬をシャンプーできるサニタリーなどの設計。

2)物販(ペットフードをいかに届けるか)

小玉氏)
10年か15年後高齢者になる人たちはWEBでの買い物にシフトする。価格競争になる。お店はどうするか、物売りから事売りへ。安心安全の事売りのライフスタイル提言。小売りはアイデアをしぼりプライベートブランド。

高橋氏)
高齢者の行動範囲が狭くなり、時短で、ワンストップで買い物。スマホIT化で消費が2極化する。生活支援型の店は小商圏化する。

前田氏)
ネットで買い物するなら箱単位となる。ストックするスペースを考えての設計。

3)共生社会について

高橋氏)
ある老人が犬を飼いたいとのことで犬を勧め実際に買った。同居の家族から大クレーム。そういう事例もある。このような場合、相談は行政ではなく、業界がコールセンターのようなもので対応が必要。ネットワークが必要。縦割りを横ぐしで。

小玉氏)
トリマーなど雇用が困っている。前段階で雇用の改善、夢希望が持てるように。財団作り。

野川氏)
ペット安心ケア制度(自前の商売の宣伝)東京都の作成パンフ、「ペットと暮らすシニア世代の方へ」の冊子を配った。

前田氏)
昔は番犬で外飼いであったが、今は家の中で飼うようになった。家族であるので犬猫たちが住みやすいように配慮が必要。それが共生。

則久氏)
共生の内容が具体的でない。例として、レストランに犬がいてもよいか、学校に行くと犬がいる、ペットショップのありかたなど社会規範が確立されていない。やみくもに対立ではなく流れを作りたい。

終了。

管理人の私見

環境省動物愛護管理室室長の則久雅司氏の言うこと、共生というビジョンが確立されていないというのは本当にそうだと思いました。「殺処分ゼロ」というビジョンは明文化されてそれに向かって突き進んでいるけれど、それ以外の部分は明確になっていないのはその通り。

共生社会とはどのような社会なのかを先に作り、逆算して法整備、すぐにやる必要があるは、その通りだと心底思いました。

それはそれとして、今ある問題を早急に解決しなければいけません。それはパピーミル、キャットファクトリーといわれる劣悪ブリーダーの撲滅です。動愛法の運用は地方自治に任せてあるので、地方自治のやる気が事の解決のスピード、事の解決の質を左右します。この点を厳しくする法整備が必要なのかなと思いました。子犬子猫の販売の約80%はペットショップ、オークション経由で消費者に渡り、残り20%がブリーダー直販です。80%はほとんどがパピーミル、キャットファクトリーと言われるブリーダーと判断しても良いでしょう。安く大量に供給するわけですから、繁殖犬猫に産ませるだけ産ませる、それも低コストで。そのような繁殖犬猫は地獄の生涯ですよ。

ペットショップでの生体販売は絶対に反対です。命をあまりに簡単に売り過ぎ。ヨーロッパでペットショップで販売させないのは、「衝動買い防止」が主な理由です。衝動買いされた子犬子猫の行く末はどこでも同じなのでしょう。さすが、愛護先進国はさっさと法律で規制してしまったわけです。

動物病院もペットフードメーカーもその他ペット用物販、トリミングやペットホテルのサービス業は飼育頭数に依存しているので、飼育頭数を増やせとやっきでしょうが、今後は命を金儲けの対象にするのは控えるべきです。日本の人口も減るし、超高齢化に突入するし、今ペット業界のリーダーたちの言っていることは、実現できない空想話に思えます。

閉校になった田舎の小学校を老犬ホームにするったって、誰がいくらお金をかけ建物を修復するのか、老犬ホームにお勤めして老犬をお世話する人はどこの誰ですか、老犬ホームは経営できるシュミレーションはできてるんですか?単純に考えてもこれからの日本の人口や労働者年齢を考えたら、厳しくないですか?おいそれと簡単にできることではない。

実際イオンペットだって、今現在トリマーの雇用に困ってるんでしょ。老犬のお世話なんて、シェルターメディシンの正しい知識や介護の専門知識もいるでしょう。私には口では簡単にいえる実現できない絵空事に思えます。

ペットショップでの生体販売はやめて、高齢者の健康寿命を延ばす人口知能ロボット犬やロボット猫を作ったらいかがでしょうか?大型や小型や会話のできるロボット犬猫で健康寿命を延ばし認知症予防にでもなるのじゃないですか。

今イオンペットが犬の飼育が健康によいと判断できるためのデータを頼んでいるという東京農大の太田先生は、朝日新聞の太田さんのお父さんです。この人は、治療に積極的に動物を介在させる研究をしている人です。アメリカ、ヨーロッパでは積極的で日本では厚労省が積極的ではないので、なかなか普及しないようです。高齢者に犬を飼わせるという企業の片棒を担ぐためにデータを取っているのだとは思いませんが、治療に介在させたいとは思っているでしょうね。ペット業界の意図とはちょっと違うと思いますが。

イオンペットの小玉氏の65才以上に犬を飼わせる話は、本当にやめてほしい。65才以上の人達は、病気に罹るリスクも高くなるし、犬と共生できる満足な知識を持っているとも思えないです。(持っている人もいるでしょう。でも少数だと思います。)65才以上の単身者さんの経済状況もどうなのだろうと思います。そのような状況ではたして犬と人間が満足に生活できるでしょうか? 65才以上の単身者が犬の飼育をして、その後で、大量に難民ならぬ難犬、難猫が発生しないだろうか? 次のペットの社会問題になりそう。いや、絶対になるから、65才以上の単身者に売るのはマジでやめてほしい。

更新:平成28年4月10日
作成:平成28年4月2日